取引所の資産増加サービス|ステーキング・レンディング・流動性プール等

2021年5月25日

暗号資産(仮想通貨)取引所の投資以外の資産を増やすサービス紹介

概要

取引所のサービスには投資以外の資産運用がさまざま用意されています。貸暗号資産(レンディング)やステーキング、つみたて、流動性プールといったものが有名です。ではいったいそれがなんなのかそれぞれわかりやすく説明していきます。

貸暗号資産(レンディング)

貸暗号資産(レンディング)とは

貸暗号資産(レンディング)とは投資家が保有する暗号資産(仮想通貨)を取引所に貸出し、期間と貸付数量に応じた利息分を暗号資産(仮想通貨)で取得できるサービスです。長期的な値上がりを期待して暗号資産(仮想通貨)を保有し続けるつもりの投資家にとって、着実に暗号資産(仮想通貨)を増やせる魅力的な運用方法の一つです。

貸暗号資産(レンディング)サービスを提供する暗号資産取引所は、貸手借手を仲介する役割を担います。暗号資産(仮想通貨)の借り手は仲介者に金利を支払い、手持ち資金の数倍の金額を動かせる「信用取引」に利用しています。これが貸暗号資産(レンディング)の仕組みです。利用には暗号資産取引所による審査や借入枠の制限などがあり、必ず貸出が実施される訳ではありません。

貸暗号資産(レンディング)を利用するメリット

銀行より利率が高い

貸暗号資産(レンディング)の年率はおよそ1~5%に設定されています。一般的な銀行の普通預金の年率が0.01%〜0.2%なので、貸暗号資産(レンディング)の設定は十分に有利と言えるでしょう。貸出期間ごとに年率が異なり、期間が長いほど高い年率を得られる仕組みが主流になっています。サービスによっては再貸出を設定して運用できるので、元本に貸借料が加算されて、複利で運用できることもメリットです。

不正が起こりにくい

暗号資産(仮想通貨)取引所を仲介者とする貸暗号資産(レンディング)では、個人間の貸し借りで発生する可能性のある資産持ち逃げなどのトラブルを回避できるメリットがあります。取引所は契約に準じて管理を行うため、個人の貸し借りで起きやすい不正が起こりにくく、貸し手、借り手の双方にとって安心できる仕組みになっています。

手間をかけずに利益を狙える

満期に利息分が元本に上乗せされて戻ってくる貸暗号資産(レンディング)は、手間をかけずに暗号資産(仮想通貨)で利子をもらえるメリットがあります。投資経験が浅い方にとって、相場をチェックしながら、エントリーおよび利確ポイントを分析する短期投資で利益を上げるのは簡単ではありません。暗号資産(仮想通貨)市場は激しい価格変動で知られており、相場が上下するたびに一喜一憂していては疲弊します。一方で、レンディングは暗号資産(仮想通貨)の保有量を確実に増やせるので、トレードをせずに暗号資産(仮想通貨)を運用したいと考える人におすすめです。

貸暗号資産(レンディング)のデメリット

貸出期間中は価格変動リスクを負う

暗号資産(仮想通貨)の貸付当初と契約満期の段階とでは暗号資産(仮想通貨)の価格が変動しているため、ユーザーは暗号資産(仮想通貨)の価格変動リスクを負います。暗号資産(仮想通貨)を貸し出すと満期まで資産を移動したり、基本的に売却できなくなります。資産価格が高騰して利確したいと思ったり、反対に暴落して損切りしたくなった場合も資産を動かし難いため、取引所の契約ポリシーをしっかり押さえておきましょう。

貸出中に取引所が破綻するリスクを負う

万が一、暗号資産(仮想通貨)取引所が破綻した場合は、貸暗号資産(レンディング)に預けた暗号資産(仮想通貨)が戻ってこないというリスクもあります。また、「貸暗号資産(レンディング)サービス」は預金保険の対象外となっています。そのため、すべての保有通貨を貸出せず資産の一部でレンディングを利用するというように、リスク分散を考慮した戦略が必要です。

ステーキング

ステーキングとは

ステーキングとは仮想通貨を保有しているだけで、年率換算3%~6%の報酬が得られる仕組みです。仮想通貨取引所の規定にもよりますが報酬の支払い間隔も短く毎週か毎月のペースで報酬が得られます(なお、ステーキングによる収益の所得税の項目は、雑所得扱いとなります)。

貸暗号資産(レンディング)とは異なり、全ての仮想通貨がステーキングに利用できるわけではありません。コンセンサスアルゴリズムにPoS(Proof of Stake)を使用している仮想通貨のみがステーキングサービスの対象となります。

ステーキングの仕組み

ステーキングの仕組みを理解するには、コンセンサスアルゴリズムの一種であるPoSを理解する必要があります。コンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーン上の取引内容を記録をする為のプログラム上のルールだと考えてください。

ビットコインやライトコインは、PoWと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを使っています。PoWはProof of Workと呼ばれる、複雑な計算を先に処理したマイナーがブロック生成の優先権を得る方式です。PoWは処理速度が遅く、ハードウェアの電力消費も大きく、スケーリングが困難です。

最近では、PoWのデメリットを補う新しいコンセンサスアルゴリズムとしてPoS(Proof of Stake)が主流になってきています。ステーキング(Staking)はStake(権利を主張する)に由来しています。PoSではブロック生成の基準の一つとして検証者(PoWのマイナー)のトークンの保有量を考慮するというもので、保有(Stake)量が多い検証者を優先します。

その報酬として、トークンが支払われ、それがステーキングの収益の源泉となります。PoSを利用した仮想通貨としてはLSK(リスク、リスクのコンセンサスアルゴリズムは正確にはDPoSと呼ばれる)、XTZ(テゾス)、国内ではまだ取り扱いはないですが、ADA(カルダノ)、DOT(ポルカドット)などが挙げられます。

貸暗号資産(レンディング)との違い

貸暗号資産(レンディング)の違いとしては以下の点があげられます。

PoSのコンセンサスアルゴリズムを使った仮想通貨のみが対象。
貸暗号資産(レンディング)では一定期間仮想通貨の使用をロックする必要があるが、ステーキングでは決められた期間の縛りがない。
必ずしも報酬が得られるわけではない。
別途契約の必要がない。
貸暗号資産(レンディング)よりもステーキングサービスの方が自由度が高く、かつ簡単に利用できます。

ステーキングのメリット

  • 定められた期間の縛りがない。
  • 資金の分散管理の対象となる。
  • 最低保有数量の規定はあることが多いが保有数量の上限がない。
  • いつでも仮想通貨を売却したり送金ができる。
  • 毎週報酬が支払われるなど、報酬を得られる感覚が短い。

ステーキングのデメリット

  • 対象銘柄が少ない
  • 報酬が一定ではない
  • 仮想通貨の価格自体の下落

暗号資産のつみたて

暗号資産のつみたてとは

暗号資産のつみたてとは、毎月一定の金額を自動的に購入できるサービスです。価格が高いときは少ないですが、低い時は多く買えます。暗号資産の価格変動リスクを低減しながら投資する手法です。購入するタイミングを考える必要がないので、負担のない資産運用戦略として広く投資家から好まれています。

暗号資産のつみたてのメリット

1,000円単位の少額投資に対応

暗号資産の積立サービスは最低1,000円から利用できるので、まとまった初期費用を準備する必要がありません。初心者の方でもすぐに始められるサービスです。

自動取引なので手間がかからない

暗号資産のつみたては毎月(毎日)決められたタイミングで暗号資産を自動的に購入するので、投資分析にかける時間がない方も手間をかけずに始められます。

時間分散によりリスクを軽減

暗号資産のつみたては長期的に資産を少しずつ買い付けるので、平均購入単価を平準化でき、一回にまとめて購入するよりも価格変動リスクを抑える効果が期待できます。

暗号資産のつみたてのデメリット

大きな利益を狙う手法ではない

暗号資産のつみたては長期的な資産形成を目的としていて、リスクと同時にリターンも低減する投資戦略です。投機的な手法ではないと理解しておきましょう。

スプレッド分のコスト

スプレッドとは暗号資産取引に関する「買値」と「売値」の差額です。暗号資産のつみたては比較的スプレッドが広い「販売所」を利用するため、自分で「板取引」などで取得するより購入単価が割高になる可能性があります。

暗号資産のつみたて利用の注意点

暗号資産のつみたてを利用する上での注意点についても抑えておきましょう。

損失が発生するリスク

暗号資産の価値の下落によって損失が発生するリスクがあります。暗号資産のつみたては価格変動リスクを低減する戦略ですが、利益が約束されているわけではないと理解しておきましょう。

セキュリティ体制の整ったサービスを選ぶ

暗号資産のつみたてを利用する際は、運営会社のセキュリティ体制を確認しましょう。コインチェックとGMOコインのホームページには資産の管理方法を含むセキュリティポリシーが公開されています。内容を理解し、納得した上でサービスを利用しましょう。

個人を標的にしたハッキング対策をする

なりすましメールやフィッシング詐欺など、個人をターゲットにしたハッキング攻撃の対策も重要です。社名やロゴを悪用したメールを送付し、偽サイト(フィッシングサイト)上でIDやパスワードを入力させようとする不正行為が報告されています。積立てた暗号資産や日本円を引き出されてしまう恐れがあるので、2段階認証などのハッキング対策を徹底しましょう。

Defi

Defiのサービスへ資金をPoolする

DeFiへ資金をPoolすることによる金利収益を得るという方法です。例えば、Binanceが提供しているBSC上で稼働するAMM(Automated Market Makers)で稼働する「PancakeSwap」では、資金をプールすることで手数料収入をCAKEと言われるトークンで獲得可能です。もちろん、このCAKEは市場でも取引がされており、取得したトークンを売って利益を得たり、再投資によって複利的に資産運用できます。

Defiを利用するメリット

放置するだけでいい

まず、資金をプール(預け入れ)しておくだけですので、資金を増やす目的で短期トレードをする必要がなくなります。短期トレードは精神衛生に悪影響を与えることが多く、本業を抱えている方が大きな資金を短期トレードで運用するのは推奨しません。このDeFiでは、トレードをせずに資金を増やせるので、精神的にも負担が少ない資産運用の方法の1つです。

高い利率の収入を得られる

また、他の金融商品に比べても高い金利収入を得られるので、2021年3月時点では魅力的な投資方法です。

Defiを利用するデメリット

価格変動のリスクを受ける

他の金融商品に比べて高いAPYを提供しているDeFiですが、預け入れる通貨によっては価格変動の影響により評価額(法定通貨基準での資産額)が大きく減少する可能性があります。これからDeFiを始めるという方であればテザー等のステーブルコインの暗号資産組合わせでリスクを下げれます。

政府の規制による影響を受ける可能性がある

DeFiまだ新しい金融商品なので、当局の規制を受ける可能性は十分にあり得えます。ICOも規制を受ける前は乱立し、その後各国でICOの規制が敷かれるという背景があります。DeFiも今後の動きによっては、政府からの影響を受けることも視野にリスクヘッジをしましょう。

まとめ

投資以外のサービスが充実しているおかげで暗号資産による運用がどれだけいいのかを知るきっかけになると思います。暗号資産は実用性があり、将来性のある資産であるかわかります。

国内の取引所ではCoincheck(コインチェック)がDefi以外のサービスを全て利用できます。海外の取引所であればBinance(バイナンス)が全てのサービスを利用できます。初心者の場合は国内取引所であるCoincheck(コインチェック)がおすすめです。

-DEX(分散型取引所)