概要

暗号資産XRPと、通称「リップル」と呼ばれるフィンテック企業「リップル社」との違いを投資家視点で明確にするレポートです。XRPが国際送金を担う「デジタル資産」である一方、リップル社はXRPを自社サービスに活用する「企業」であることを解説。
両者が混同される理由やSEC裁判の重要性、将来性を深掘りし、SBI VCトレードなどXRP投資に最適な国内取引所も紹介します。
目次
序章
「将来性があると聞いて、『リップル』に投資してみたい!」
「でも、いざ取引所のリストを見ても『リップル』という名前が見当たらない。『XRP』というのはあるけど、これって同じもの?」
暗号資産(仮想通貨)への関心が高まる中、特に国際送金の未来を変えると言われる「リップル」に注目している方は多いでしょう。しかし、多くの初心者がこの「リップル」と「XRP」という2つの言葉の迷宮で立ち止まってしまいます。
- 「リップル」と「XRP」は、呼び方が違うだけで同じもの?
- なぜニュースでは「リップル社の裁判」と報じられるのに、投資対象は「XRP」なの?
- 結局、私たちはどちらを理解し、何に投資すれば良いのだろう?
これらの疑問を抱えたまま投資の世界に足を踏み入れるのは、霧の中を手探りで進むようなものです。不正確な理解は、思わぬリスクや機会損失に繋がりかねません。
ご安心ください。この記事では、そんな投資家の誰もが一度は抱く疑問を解消するため、**「XRPとリップルの違い」**を根本から徹底的に解説します。両者の関係性、投資家がなぜ混同してしまうのかという核心的な理由、そしてXRPが秘める真の将来性から、2025年現在、XRP投資を始めるのにおすすめの国内取引所まで、約4000字のボリュームであなたの知識をアップデートします。
この記事を読み終える頃には、あなたは「リップル」と「XRP」の関係を誰よりも明確に理解し、自信を持って投資判断を下せるようになっているはずです。
まず知るべき「XRP」とは何か?ー 世界のお金の流れを滑らかにするデジタル資産
最初に、投資対象となる「XRP」そのものについて理解を深めましょう。
XRPは、ビットコインやイーサリアムと同じ、暗号資産(仮想通貨)の一つです。これは最も基本的な事実です。XRPは、「XRP Ledger(XRPL)」という独自の分散型台帳技術の上で取引されるデジタル資産です。
では、XRPは何を目的として開発されたのでしょうか?その使命は、現代社会が抱える大きな課題、「国際送金」の革新にあります。
現在の国際送金は、複数の銀行(コルレス銀行)を中継する複雑なリレー方式で行われています。そのため、「着金まで数日かかる」「手数料が数千円と高額」「送金状況の追跡が困難」といった多くの問題を抱えています。
XRPは、この「遅い・高い・複雑」という問題を一挙に解決するために生まれました。その役割を一言で表すなら、**「ブリッジ通貨(価値の橋渡し役)」**です。
世界中の様々な通貨(日本円、米ドル、ユーロなど)の間にXRPを介在させることで、国境を越えた価値の交換を劇的に効率化します。
【XRPを利用した国際送金のイメージ】 日本円 → XRPに両替 → XRPを瞬時に送金 → 米ドルに両替
このプロセス全体が、わずか数秒、そして手数料はほぼゼロ(約0.00001XRP)で完了します。特定の国の金融システムに依存しないXRPだからこそ実現できる、まさに革命的な仕組みです。
XRPが持つ技術的な優位性
- 圧倒的な送金スピード: 取引の確定(ファイナリティ)にかかる時間は約3〜5秒。ビットコイン(約10分〜1時間)と比較すると、その速さは歴然です。
- 極めて低いコスト: 1回の取引手数料は、日本円にして1円以下。少額の送金もためらうことなく行えます。
- 環境への配慮: ビットコインのマイニング(PoW)のように膨大な電力を消費しません。信頼できる承認者(Validator)による合意形成アルゴリズムを採用しているため、サステナブルな技術としても評価されています。
XRPは、投機的な側面だけでなく、「国際送金のインフラを刷新する」という明確で強力な実用性(ユーティリティ)を持つ暗号資産なのです。
では、多くの人が呼ぶ「リップル」の正体とは?
さて、ここからが本題です。あなたが「リップル」と聞いてイメージするものは、一体何でしょうか。その正体は、実は2つの異なるものを指している場合がほとんどです。
- フィンテック企業「リップル社(Ripple Labs Inc.)」
- 暗号資産「XRP」のかつての通称
投資家が理解すべき「リップル」とは、主に前者、つまり**米国に本社を置く「リップル社」**という最先端のフィンテック企業のことです。
リップル社は、「価値のインターネット(Internet of Value)」の実現をビジョンに掲げ、ブロックチェーン技術を用いて世界中の価値の移動をよりスムーズにすることを目指しています。
その中核事業が、金融機関向けの国際送金ネットワーク**「RippleNet(リップルネット)」**の開発・提供です。世界中の銀行や送金事業者は、RippleNetに参加することで、安全かつ効率的な国際送金サービスを自社の顧客に提供できるようになります。
そして、このリップル社の事業と、暗号資産XRPが交差する点こそが、物語の核心です。
リップル社は、RippleNetのソリューションの一つとして**「ODL(On-Demand Liquidity)」を提供しています。これは、送金の際に「ブリッジ通貨」として、まさに私たちが学んだXRPを活用する仕組み**です。ODLを導入した金融機関は、送金したいタイミングで瞬時にXRPを介した両替・送金を行えるため、これまで海外の銀行に預けておく必要があった莫大な準備金(ノストロ口座)を解放し、資金効率を劇的に高めることができます。
関係性をシンプルに整理しましょう。
- リップル(社): 国際送金を効率化する「システム(RippleNet/ODL)」を開発・販売する会社。
- XRP: そのシステム内で「道具(ブリッジ通貨)」として使われる暗号資産。
重要なのは、リップル社はXRPを「活用」している立場であり、XRPやその基盤であるXRP Ledgerを「所有」または「支配」しているわけではない、という点です。XRP Ledgerは、オープンソースの分散型技術であり、リップル社はそのエコシステムに貢献する一員に過ぎません。
なぜ投資家は混同するのか?知っておくべき3つのポイント
両者の違いが分かったところで、なぜこれほどまでに混同が生まれるのか、その理由を3つのポイントから深掘りしていきます。この背景を理解することで、ニュースの裏側を読み解く力が身につきます。
ポイント1:名称の歴史と「リップル」という言葉の遺産
最もシンプルかつ根深い理由が、歴史的な名称の混乱です。XRPが世に出てきた当初、そのプロジェクト全体が「リップル」と呼ばれていました。そのため、暗号資産自体も「リップル」や「リップルコイン」という通称で広く知れ渡りました。
しかし、プロジェクトが成熟し、XRP Ledgerの分散性をより明確にするため、リップル社は2018年頃から公式に通貨名を「XRP」とし、自社名「リップル」と区別するよう呼びかけを強化しました。
とはいえ、一度定着した呼び名は簡単には変わりません。特に古くからの投資家や、普段あまり情報を追わない人々にとっては、今でも「リップル=XRP」という認識が根強く残っています。これが混乱の最大の原因です。
ポイント2:運命共同体とも言える、事業と資産の密接な関係
リップル社の事業成功が、XRPの価値に直結するという期待感が、両者を一体視させる大きな要因です。
リップル社が新たな大手銀行との提携を発表したり、ODLの利用が拡大したりすれば、それはブリッジ通貨であるXRPの需要が増加することを意味します。需要が増えれば、市場での取引が活発になり、その価値(価格)も上昇するだろう――。このロジックは非常に分かりやすく、投資家の期待を煽ります。
実際に、リップル社に関するポジティブなニュースが流れると、XRPの価格が即座に反応することは頻繁に起こります。この強い相関関係が、「リップル(社)を買う ≒ XRPを買う」という感覚を生み出しているのです。
ポイント3:【最重要】すべてを一体化させたSECとの歴史的裁判
XRPとリップルの関係を語る上で、米証券取引委員会(SEC)との裁判は避けて通れません。この裁判の動向が、両者の関係性を投資家の脳裏に強く焼き付けました。
- 裁判の核心: SECは「リップル社が販売したXRPは、投資契約、つまり『未登録有価証券』であり、証券法に違反する」と主張しました。
- 裁判の構図: 被告はあくまで「リップル社とその経営陣」でした。しかし、争点となったのは「XRPという資産の法的性質」です。
メディアはこれを「リップル裁判」と大々的に報じました。そのため、世間一般には「リップル(社)が裁判で戦っている。その裁判の対象がXRPである」という認識が広まり、「リップル=XRP=裁判の当事者」というイメージが決定的なものになりました。
2023年7月13日、歴史的な判決が下されます。
ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所は、「リップル社による機関投資家向けのXRP販売は有価証券取引にあたる」とした一方で、**「個人投資家が暗号資産取引所を通じてXRPを売買することは、有価証券取引にはあたらない」**という画期的な判断を示しました。
これは、XRPが長年抱えてきた「有価証券問題」という最大のリスクを、司法の場で(部分的にせよ)払拭したことを意味します。市場はこの判決を「リップル社の実質的な勝利」とみなし、XRP価格は一時的に2倍近くまで高騰。この一連の出来事を通じて、投資家はリップル社とXRPが運命共同体であることを改めて強く認識したのです。
投資家が知るべきXRPの将来性 ー ポテンシャルとリスク
では、この複雑な背景を持つXRPに、投資家はどのような未来を描けるのでしょうか。光と影、両面からその将来性を冷静に分析します。
ポジティブな側面(未来への期待)
- 巨大すぎる国際送金マーケット: 世界銀行によると、低・中所得国向けの国際送金額だけでも年間6,000億ドルを超えます。この巨大市場の非効率性を解決するXRPのポテンシャルは計り知れません。
- 実用性の証明(金融機関での採用実績): 絵に描いた餅ではなく、リップル社のODLはすでに世界中の金融機関で実用化されています。これは、他の多くのアルトコインにはない決定的な強みです。
- 法的リスクの大幅な後退: 2023年の判決は、XRPが米国市場で生き残るための道筋を照らしました。これにより、これまで導入をためらっていた金融機関や企業がXRPを採用しやすくなる可能性があります。
- CBDC(中央銀行デジタル通貨)との架け橋: リップル社は、複数の国家のCBDCプロジェクトに技術協力しています。将来、各国が発行するCBDC同士を繋ぐ「中立的なブリッジ資産」としてXRPが採用されるという壮大なシナリオも期待されています。
- 進化し続けるXRP Ledger: XRP Ledgerは、NFTの発行やスマートコントラクトの実装など、機能拡張を続けています。送金だけのコインに留まらない、多目的なプラットフォームへの進化がXRPの価値をさらに高めるでしょう。
リスクと注意点
- リップル社の売却圧力: リップル社は運営資金などを捻出するため、保有するXRPを定期的に市場で売却しています。この供給が、価格の上昇を抑制する一因となる可能性があります。
- 中央集権性への根強い批判: ビットコインの思想とは異なり、リップル社という特定企業の存在感が大きいことから、その中央集権的な構造を批判する声もあります。
- 終わらない規制との戦い: SECとの裁判はまだ完全に終結しておらず、今後の展開や世界各国の新たな規制によっては、市場環境が変化するリスクがあります。
- 熾烈な競争環境: 国際送金の分野では、Stellar(XLM)のような競合プロジェクトや、既存の金融システム(SWIFT)も黙ってはいません。常に技術的な優位性を保ち続けられるかが鍵となります。
【2025年版】XRP投資を始めるなら!おすすめ暗号資産取引所3選
XRPとリップルの違い、そしてその未来を理解した上で、実際にXRPへの投資を始めるための最適な取引所を3社、厳選してご紹介します。取引所選びは、手数料、セキュリティ、そして何より「XRPへの本気度」で選ぶべきです。
SBI VCトレード:【本命】XRP投資なら、まず検討すべき最有力候補!
特徴 | 詳細 |
リップル社との強固な関係 | SBIグループはリップル社の初期からの株主。共同で「SBI Ripple Asia」を設立するなど、その関係は国内企業で群を抜いて深い。XRPの未来を信じるなら、これ以上ない選択肢。 |
業界最狭水準のスプレッド | 実質的な取引コストであるスプレッドが非常に狭く、有利な価格で取引しやすい。特にXRPの取引に力を入れている証拠。 |
各種手数料が無料 | 口座開設、入出金、取引手数料(販売所)などが無料で、コストを気にせず始められる。 |
XRPのステーキング | 保有しているだけで年率に応じたXRPが増えるステーキングサービスに対応。長期保有戦略と非常に相性が良い。 |
こんな人におすすめ:
- XRPを中長期的な視点で、本気で応援・投資したい人
- リップル社とSBIグループの提携関係に将来性を感じる人
- 取引コストを1円でも安く抑えたい人
Coincheck(コインチェック):初心者でも迷わない!圧倒的な使いやすさ
特徴 | 詳細 |
ダウンロード数No.1アプリ | とにかくシンプルで直感的な操作性が魅力。難しいことを考えず「まずXRPを買ってみたい」という初心者に最適。 |
豊富な取扱銘柄数 | 国内最多クラスの銘柄を取り扱っており、XRPから始めた後、他のコインに分散投資しやすい。 |
大手金融グループの傘下 | マネックスグループの一員であり、経営基盤・セキュリティ共に信頼性が高い。 |
ユニークなサービス | 電気・ガス料金の支払いでビットコインがもらえる「Coincheckでんき・ガス」など、ユニークなサービスも展開。 |
こんな人におすすめ:
- 暗号資産投資が全く初めての初心者
- スマホアプリで手軽に取引を完結させたい人
- 将来的に色々なコインに投資してみたい人
結論:「リップル」の正体を理解し、未来の金融を担う「XRP」に投資する
「XRPとリップルって何が違うの?」――このシンプルな問いの裏には、歴史的な経緯、ビジネスモデル、そして法廷闘争が絡み合う複雑な物語がありました。
この記事を通じて、私たちはその答えを明確に手に入れたはずです。
- 私たちが投資する対象は**「XRP」という暗号資産**である。
- そのXRPの価値を裏付け、実社会への普及を力強く推進しているのが**「リップル社」というフィンテック企業**である。
両者は別個の存在でありながら、その未来は固く結びついています。リップル社という最強のビジネスパートナーを得たXRPは、単なる投機対象のコインではありません。それは、国境を越えた価値の移動を、インターネットで情報を送るのと同じくらい簡単にするという、壮大なビジョンを現実にするための「鍵」なのです。
もちろん、その道のりは平坦ではないでしょう。しかし、法的リスクという大きな壁を乗り越え、実用化という確かな一歩を踏み出したXRPが、これからの世界の金融インフラを支える存在になる可能性は十分にあります。
「リップル」という言葉の曖昧さに惑わされる段階は、もう終わりです。その本質を理解した今、あなたは賢明な投資家として、未来を見据えた判断を下すことができるでしょう。
【免責事項】 本記事は、暗号資産に関する情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。暗号資産への投資は、高い価格変動リスクを伴います。すべての投資判断は、ご自身の責任とリサーチに基づき、慎重に行ってください。