概要

静的なデータ置き場だったコントラクトを、動的なアプリケーションに進化させる「関数」の作り方を解説します。関数の基本構造にはじまり、引数(入力)、戻り値(出力)、可視性(public/private)、そしてガス代を左右する状態可変性(view)まで、その全要素を分解。
カウンター契約の実装を通じ、状態を読み取る関数と書き換える関数を実際に作り、DAppの核心ロジックを構築するスキルを身につけます
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Solidity学習講座:最終版 目次(全20話)
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はじめに
第4話までで、あなたはスマートコントラクトの「記憶」の部分、すなわち状態変数をマスターしました。uint
で数を、string
で文字を、そしてaddress
で参加者を定義する方法を学び、契約の骨格を設計するスキルを身につけましたね。
しかし、今のあなたのコントラクトは、まだ「ただのデータ置き場」です。一度デプロイしたら、そのデータを後から変更したり、計算したり、何かの操作を加えたりすることはできません。これではアプリケーションとは呼べません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
その答えが、今回学ぶ**「関数(function)」です。関数とは、コントラクトに「動き」や「振る舞い」を与えるための、まさにコードの心臓部**です。状態変数が契約の「名詞」だとすれば、関数はその「動詞」にあたります。
この記事を読み終える頃、あなたはコントラクトのデータを自在に読み書きするための「関数」を定義できるようになり、あなたのプログラムは、静的なデータ置き場から、動的でインタラクティブなアプリケーションへと進化を遂げるでしょう。