概要

イーサリアム上のあらゆる操作コストである「ガス」の完全ガイド。なぜガスが必要なのかという基本から、「ガス消費量×ガス価格=手数料」という計算の仕組みまでを解き明かします。
開発者が直接コスト削減に貢献できる「ガス消費量」を減らすため、ストレージ書き込みの最小化やカスタムエラーの活用など、今日から使える具体的な節約術を解説します。
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Solidity学習講座:最終版 目次(全20話)
基礎編 第1話:未来のインターネットへようこそ!Solidityとスマートコントラクトの全体像 第2話:準備は1分!ブラウザだけで開発できる「Remix IDE」の基本操作 第3話:記念すべき初コント ...
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はじめに
これまでの14話を通して、あなたはSolidityの文法、データ構造、セキュリティパターンといった、スマートコントラクトを構築するための幅広い知識を身につけてきました。これは素晴らしい成果です。
その過程で、「ガス代(Gas Fee)」という言葉が、まるで亡霊のように何度も現れたのを覚えているでしょうか? 「for
ループはガス代が高い」 「カスタムエラーはガス効率が良い」 「transfer
は固定のガスしか渡さない」
これらは全て、イーサリアムという分散型コンピュータ上でプログラムを動かす上で、避けては通れない最重要概念、「ガス」に関連する話です。
そもそも「ガス」とは一体何なのでしょうか? なぜ私たちはそれを支払わなければならないのでしょうか? そして、開発者として、どうすればユーザーが支払うコストを少しでも下げることができるのでしょうか?
今回は、ついにこのイーサリアムの心臓部とも言える「ガス」の仕組みを解き明かします。ガスの概念を理解することは、単にSolidityのコードが書ける、というレベルから、計算コストを意識した、効率的で優れたコードが書けるという、真のイーサリアム開発者へと進化するための最後の関門です。