概要

スマートコントラクトに「知性」を与える、if文(条件分岐)とforループ(繰り返し)の徹底ガイド。状況に応じて振る舞いを変えるif-elseのロジック構築法と、特定の処理を繰り返すforループの使い方を学びます。
特に、ガス代高騰を招き、契約を機能不全に陥らせる危険なループのパターンと、その対策を重点的に解説。安全で賢いロジックを組むための必須知識です。
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Solidity学習講座:最終版 目次(全20話)
基礎編 第1話:未来のインターネットへようこそ!Solidityとスマートコントラクトの全体像 第2話:準備は1分!ブラウザだけで開発できる「Remix IDE」の基本操作 第3話:記念すべき初コント ...
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はじめに
第9話では、event
を使ってコントラクトの内部で起きた出来事を外部の世界へ通知する方法を学び、DApp開発の全体像が見えてきましたね。
これであなたは、データを定義し(struct
, mapping
)、機能を実装し(function
)、その結果を通知する(event
)という、アプリケーションの基本要素をすべて手に入れました。しかし、これまでの関数は、コードが上から下へ、一本道で実行されるだけの、いわば「素直すぎる」プログラムでした。
実際のアプリケーションは、もっと複雑な判断を要求します。 「もしユーザーが会員なら、特典を与える」 「もし残高が足りなければ、エラーを返す」 「配列に入っている全てのアドレスに、順番に処理を行う」
こうした、状況に応じて振る舞いを変える「賢い」ロジックを実装するのが、今回学ぶ**if
文(条件分岐)とfor
ループ(繰り返し)という制御構文**です。これらは、あなたのコントラクトに「思考力」を与える、まさにプログラムの脳みそにあたる部分です。