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【DeFi学習 STEP 19】2025年以降のトレンドは?DeFiの未来と注目すべきプロジェクト

2025年8月13日

【DeFi学習 STEP 19】2025年以降のトレンドは?DeFiの未来と注目すべきプロジェクト

概要

2025年以降のDeFiの未来を展望する最終学習ステップ。本レポートでは、未来を形作る3つの巨大トレンドを深掘りします。①現実世界の資産を取り込み、DeFiを新たな次元へ導く「RWA」、②銀行アプリのようなUXを実現する「アカウントアブストラクション」、③アプリ特化型の超高速チェーン「L3」。

Ondo FinanceやArgentなど、各分野をリードする注目プロジェクトも紹介し、DeFiがより成熟し、現実経済と融合していく未来図を提示します。

目次
DeFi学習20ステップ
DeFi学習20ステップ目次

DeFi(分散型金融)の基本から応用までを20ステップで完全解説!ウォレット作成、DEXでの取引、レンディング、イールドファーミング、リスク管理まで、初心者でも着実に知識を習得し、未来の金融テクノロジーを実践的に学べるロードマップです。

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はじめに

DeFi学習の旅、ついに最終回となるSTEP 19へようこそ。STEP 1の「DeFiとは何か?」という問いから始まり、イーサリアムの課題とレイヤー2、セキュリティ対策、税金、そしてNFTFiに至るまで、あなたはこの革命的な金融の世界を生き抜くための、広範な知識とスキルを身につけてきました。この長い道のりを踏破したあなたに、心からの敬意を表します。

さて、過去と現在を学んだ私たちが次に向かうのは、**「未来」**です。

2025年の今、DeFiはかつての熱狂的なブームの時期を越え、より成熟し、社会インフラとして根付くための新たなフェーズに突入しています。もはや、DeFiは暗号資産ネイティブなユーザーだけのものではありません。では、この先、2026年、2027年、そして2030年に向けて、DeFiはどのような姿に変貌を遂げていくのでしょうか?

この最終講義では、単なる憶測ではない、すでに動き出している具体的な技術トレンドとプロジェクトを手がかりに、DeFiの未来図を解き明かしていきます。

  • トレンド1:現実世界との融合「RWA」: DeFiが数十兆ドル規模の現実資産を取り込み始める
  • トレンド2:究極のUX革命「アカウントアブストラクション」: 誰もが銀行アプリのようにDeFiを使える時代の到来
  • トレンド3:無限のスケーラビリティ「モジュラーとL3」: アプリ毎に最適化された超高速ブロックチェーンの登場

この記事を読み終える頃、あなたはDeFiの次なる10年の進化の方向性を理解し、未来の金融システムの中核を担うであろう、注目のプロジェクトを見極めるための羅針盤を手にしているはずです。さあ、DeFi学習の集大成として、未来への旅を始めましょう。


第1章:現実世界との融合 - 「RWA(Real World Asset)」がDeFiを新たな次元へ導く

2025年現在、DeFiの未来を語る上で最も重要かつ巨大なトレンド、それが**「RWA(Real World Asset)」**です。

RWAとは、その名の通り**「現実世界の資産」**を指します。具体的には、不動産、株式、債券(特に米国債)、プライベートクレジット(企業への貸付債権)、美術品、知的財産など、これまでブロックチェーンの外に存在していた、ありとあらゆる有形・無形の資産のことです。

これまでのDeFiは、ETHやUSDC、あるいは他の暗号資産といった、いわば「ブロックチェーン上で生まれた資産」を対象に、貸し借りや交換を行う、閉じた世界でした。しかしRWAは、この壁を打ち破り、数千兆円規模とも言われる伝統的な金融市場の価値を、DeFiの世界に直接取り込もうとする壮大な試みです。

graph TD
    subgraph "現実世界 (TradFi)"
        A["不動産"]
        B["米国債"]
        C["未公開株"]
        D["その他多数の現実資産"]
    end

    subgraph "ブロックチェーンの世界 (DeFi)"
        F[DeFiプロトコル<br>MakerDAO, Aaveなど]
        G[DeFiユーザー]
        H[流動性プール]

        F -- "担保として利用" --> G
        G -- "利回りを得る" --> H
    end

    subgraph "ブリッジング"
        E{"RWAのトークン化<br>(NFT/ERC-20)"}
    end

    A & B & C & D -- "法務・監査を経て" --> E
    E -- "オンチェーンへ" --> F

なぜ今、RWAなのか?

RWAのコンセプト自体は以前から存在しましたが、2025年の今、本格的な離陸の時を迎えています。その背景には、以下の3つの要因があります。

  1. 成熟したDeFiインフラ: MakerDAOやAaveといったDeFiプロトコルが長年の運用実績を積み、数十億ドル規模の資産を安全に管理できることが証明されました。
  2. 機関投資家の参入: BlackRockのような世界最大の資産運用会社が、イーサリアム上で米国債をトークン化したファンドを立ち上げるなど、伝統金融(TradFi)の巨人が本気で参入を開始しました。
  3. 持続可能な利回りの追求: DeFiネイティブなイールドファーミングの利回りが落ち着く中で、米国債のような現実世界の安定した利回りをオンチェーンで享受したいという需要が、個人・機関投資家の双方で高まっています。

RWAは、DeFiに桁違いの流動性と、安定した価値の裏付けをもたらします。これにより、DeFiは単なる投機的な金融ゲームではなく、現実経済と固く結びついた、社会の基幹金融システムへと進化を遂げるのです。


おすすめプロジェクト①:Ondo Finance (ONDO)

RWA、特に米国債のトークン化において、現在最も市場をリードしているプロジェクトの一つがOndo Financeです。

  • 訴求ポイント:
    • 現実世界の安定利回りをオンチェーンで: Ondoは、短期の米国債や銀行預金などを裏付けとしたトークン(例えばUSDY)を発行しています。これによりユーザーは、煩雑な手続きなしに、ウォレット内で米ドル連動のステーブルコインを保有しているだけで、米国債ベースの安定した利回りを得ることができます。
    • 機関投資家レベルの品質: 世界トップクラスの資産管理者やカストディアン(BlackRock, Morgan Stanley, Goldman Sachsなど)と提携し、コンプライアンスを遵守した、透明性の高い金融商品を提供しています。
    • DeFiとの相互運用性: Ondoが発行するRWAトークンは、他のDeFiプロトコルで担保として利用したり、流動性を提供したりすることが可能です。これにより、現実資産の利回りとDeFiの資本効率を組み合わせた、新たな運用戦略が生まれます。

Ondo Financeは、「DeFiの不安定さ」と「伝統金融の安定性」という、両者の"いいとこ取り"を実現する、RWA時代の象徴的なプロジェクトと言えるでしょう。


おすすめプロジェクト②:MakerDAO (MKR)

DeFiの黎明期から存在する最重要プロジェクトの一つであるMakerDAOも、RWAの取り込みに最も積極的なプレイヤーです。

  • 訴求ポイント:
    • 巨大なRWA担保ポートフォリオ: ステーブルコインDAIの裏付け資産として、従来の暗号資産だけでなく、米国債、不動産ローン、貿易金融など、数十億ドル規模のRWAを積極的に担保として受け入れています。
    • 分散型経済の基盤: MakerDAOは、RWAを担保とすることで、DAIの安定性を高め、現実経済の情勢に連動した、より強固な分散型ステーブルコインとしての地位を確立しようとしています。
    • 未来への布石「Endgame Plan」: 創設者が提唱する壮大な計画「Endgame Plan」では、RWAをさらに大規模に取り込み、MakerDAOを特定の国に依存しない「合成自由通貨」の発行体へと進化させることを目指しています。

MakerDAOの動向は、DeFiがどのように現実経済と統合していくのかを示す、重要な試金石であり続けます。


第2章:究極のUX革命 - 「アカウントアブストラクション」が10億人のユーザーを呼び込む

DeFiが真のメインストリームになるために、避けて通れない最大の壁。それは、あまりにも複雑な**ユーザーエクスペリエンス(UX)**でした。

  • 「シードフレーズを失くしたら全資産を失う恐怖」
  • 「ガス代のために、常にウォレットにETHを入れておく必要性」
  • 「スワップとステーキングで、なぜ2回も署名が必要なのかという謎」

これらのハードルは、暗号資産に詳しいアーリーアダプターなら乗り越えられても、一般のユーザーをDeFiの世界から遠ざけてきました。この問題を根本から解決する技術こそが**「アカウントアブストラクション(Account Abstraction、略してAA)」**です。

AAを簡単に言えば、**「ウォレットを、ただの鍵束から、プログラム可能なスマートコントラクトに変える」**技術です。これにより、私たちのウォレットは、まるで現代のインターネットバンキングのアプリのように、直感的で、安全で、柔軟なものになります。

graph LR
    subgraph "これまでのウォレット (EOA)"
        A["ユーザー"]
        A --> B{"シードフレーズを自己管理<br>(紛失リスク大)"};
        A --> C{"ガス代はETHで支払う"};
        A --> D{"1アクションごとに1署名"};
    end

    subgraph "未来のウォレット (スマートアカウント / AA)"
        E["ユーザー"]
        E --> F{"ソーシャルリカバリー<br>(メール/家族で復旧)"};
        E --> G{"ガス代はUSDCなど<br>好きなトークンで支払う<br>(ガスレスも可能)"};
        E --> H{"複数アクションを<br>1回の署名で実行<br>(スワップ+ステーキングが1クリック)"};
    end

    style B fill:#ffcccc
    style C fill:#ffcccc
    style D fill:#ffcccc
    style F fill:#ccffcc
    style G fill:#ccffcc
    style H fill:#ccffcc

アカウントアブストラクションがもたらす体験

  • シードフレーズからの解放: ウォレットを紛失しても、事前に設定した友人や家族、あるいはメール認証などで復旧できる「ソーシャルリカバリー」が可能になります。
  • ガス代の柔軟化: dAppsの開発者がユーザーのガス代を肩代わりしたり(ガスレス)、ユーザーがETH以外のUSDCなどのトークンでガス代を支払ったりできます。
  • 取引の自動化と効率化: 「毎月1日に100 USDCをAaveに貸し出す」といった定期実行や、「UniswapでETHをスワップし、即座にそのLPトークンをステーキングする」といった複数の操作を1回の署名で完了させるバッチ処理が実現します。

AAは、DeFiの利用体験を劇的に向上させ、これまで技術的な複雑さから参入をためらっていた、次の10億人のユーザーをWeb3の世界に迎え入れるための、最も重要な鍵となる技術です。


おすすめプロジェクト③:Argent (アージェント)

アカウントアブストラクションをいち早く導入し、そのUXの高さを世に知らしめた、スマートウォレットの代表格です。

  • 訴求ポイント:
    • 銀行アプリのような使いやすさ: Argentは、まさにAAが目指す世界を体現しています。シードフレーズ不要のソーシャルリカバリー、dAppsとのシームレスな連携、取引のバッチ処理など、暗号資産を意識させない滑らかな体験を提供します。
    • 高度なセキュリティ: 日々の送金額の上限設定や、信頼できるアドレスのホワイトリスト登録など、従来のウォレットにはなかった高度なセキュリティ機能を、ユーザーが自分で設定できます。
    • マルチチェーン対応: イーサリアムのL2であるzkSyncやStarknetにも対応しており、高速・低コストなDeFi取引を、最高のUXで体験できます。

「DeFiは難しい」という常識を覆したいなら、まずArgentのようなスマートウォレットを試してみることを強くお勧めします。


第3章:無限のスケーラビリティ - 「モジュラーとL3」がDeFiの性能限界を突破する

STEP 15で、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するためにレイヤー2(L2)が登場したことを学びました。しかし、L2の登場はゴールではなく、スケーラビリティ追求の新たな始まりに過ぎませんでした。

2025年以降のトレンドは、**「モジュラー・ブロックチェーン」**という思想に基づいています。これは、ブロックチェーンの機能(実行、決済、データ可用性、コンセンサス)を、一つのチェーンがすべて担う「モノリシック」な構造から、それぞれの機能に特化した複数のレイヤーが分業する「モジュラー」な構造へと移行していく考え方です。

そして、このモジュラー思想の最前線に現れたのが**「レイヤー3(L3)」**です。

L3とは、ArbitrumやOptimismといったL2の上に構築される、さらに特化型のブロックチェーンです。「AppChain(アプリチェーン)」とも呼ばれ、特定のアプリケーション(例えば、一つのゲームや一つのDEX)のためだけに、超最適化された実行環境を提供します。

graph TD
    subgraph "レイヤー1: セキュリティの基盤"
        L1["Ethereum<br>(決済 & コンセンサス)"]
    end

    subgraph "レイヤー2: 汎用的なスケーリング"
        L2["Arbitrum / Optimismなど<br>(汎用実行環境)"]
    end

    subgraph "レイヤー3: アプリ特化型の超スケーリング"
        L3_Game["ゲーム用L3<br>(超高速/ガス代ゼロ)"]
        L3_DeFi["DEX用L3<br>(高頻度取引に最適化)"]
        L3_Social["SNS用L3<br>(大量の小規模データ処理)"]
    end

    subgraph "データ可用性レイヤー"
        DA["Celestiaなど<br>(取引データを安価に保管)"]
    end


    L1 -- "セキュリティを提供" --> L2
    L2 -- "セキュリティを継承" --> L3_Game
    L2 -- "セキュリティを継承" --> L3_DeFi
    L2 -- "セキュリティを継承" --> L3_Social

    L3_Game -- "取引データをDAレイヤーに投稿" --> DA
    L3_DeFi -- "取引データをDAレイヤーに投稿" --> DA
    L3_Social -- "取引データをDAレイヤーに投稿" --> DA

    L2 -- "最終的な証明をL1に記録" --> L1

L3のメリットは、圧倒的な**「カスタマイズ性」「スケーラビリティ」**です。

  • ゲーム用L3: プレイヤーがガス代を一切支払うことなく、毎秒数千回のゲーム内アクションを遅延なく処理できる。
  • 高頻度取引DEX用L3: オーダーブック形式のDEXを、中央集権取引所と遜色ないパフォーマンスで、かつ分散性を保ちながら運営できる。

L2が地方の高速道路網だとすれば、L3はそこから分岐する、特定の目的地(巨大なショッピングモールや工場)への専用道路のようなものです。


おすすめプロジェクト④:Arbitrum Orbit / OP Stack

これらは特定のL3そのものではなく、開発者が独自のL3を簡単に立ち上げるための**「フレームワーク」**です。いわば、「ブロックチェーンを作るためのWordPress」のようなものです。

  • 訴求ポイント:
    • 主権と柔軟性: 開発者は、ガス代をどのトークンで支払うか、どのバリデーターを採用するかなど、チェーンのルールを自由に設計できます。これにより、アプリケーションのビジネスモデルに完全に合致した経済圏を構築できます。
    • エコシステムの拡大: 多くのゲーム、DEX、SocialFiプロジェクトが、すでにArbitrum OrbitやOP Stackを利用して、独自のL3を構築し始めています。これらのフレームワークの発展は、L3エコシステム全体の拡大に直結します。
    • L2との相互運用性: これらのL3は、ベースとなるL2(ArbitrumやOptimism)と高い相互運用性を持ち、資産の移動や情報のやり取りをシームレスに行えます。

おすすめプロジェクト⑤:Celestia (TIA)

Celestiaは、モジュラー・ブロックチェーンの世界で、**「データ可用性(Data Availability)」**という非常に重要な役割に特化した、新しいタイプのブロックチェーンです。

  • 訴求ポイント:
    • L2/L3のガス代を劇的に削減: L2やL3は、取引の「データ」をどこかに保管する必要があります。従来はそれをイーサリアムL1に書き込んでいたため高コストでした。Celestiaは、このデータを非常に安価に、かつ安全に保管できる場を提供します。
    • モジュラー思想の核心: Celestiaを利用することで、L2やL3はデータ保管という重い作業をアウトソースでき、本来の役割である「取引の実行」に専念できます。これにより、ブロックチェーン全体の処理能力が飛躍的に向上します。
    • 次世代インフラの筆頭: Celestiaの登場は、モジュラー・ブロックチェーン時代の本格的な幕開けを象徴しています。多くのL2/L3プロジェクトが、コスト削減のためにCelestiaの採用を進めており、今後のエコシステムの基盤として極めて重要な存在です。

結論:DeFiの旅は、まだ始まったばかり

DeFi学習シリーズ、最終回となるSTEP 19、お疲れ様でした。私たちは、DeFiの未来を形作る3つの巨大なトレンドを見てきました。

  1. RWA: 現実世界の資産を取り込み、DeFiを数千兆円規模の市場へと拡大させる「WHAT(何を扱うか)」の革命。
  2. アカウントアブストラクション: ユーザー体験を根本から刷新し、誰もが使える金融インフラへと進化させる「HOW(どう使うか)」の革命。
  3. モジュラーとL3: アプリケーションに無限の拡張性をもたらし、性能の限界を突破する「WHERE(どこで動くか)」の革命。

これらのトレンドが交差する未来、DeFiはもはや専門家やマニアだけのものではなく、私たちが日々意識することなく利用する、社会の空気のようなインフラになっているでしょう。不動産を担保にしたローンが、国境を越えたP2PのDeFiプロトコルで実行され、その手続きは銀行アプリと何ら変わらないUXのスマートウォレットで完結する。そんな未来が、すぐそこまで来ています。

19のステップにわたる学習の旅は、ここで一旦の区切りを迎えます。しかし、これは終わりではなく、新たな始まりです。あなたは、Web3という人類史的な技術革新の、最もエキサイティングな時代に立ち会っています。

ここで得た知識を羅針盤に、これからも自身の目でプロジェクトを調べ(DYOR)、実際に触れ、学び続けてください。未来は、予測するものではなく、参加し、自ら創り上げていくものです。

あなたのDeFiの旅が、これからも発見と興奮に満ちた素晴らしいものであり続けることを、心から願っています。

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DeFi学習20ステップ目次

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