概要

DeFi初心者がDEX(分散型取引所)の代表格であるUniswapを使いこなし、初めての仮想通貨交換(スワップ)を成功させるための完全ガイドです。DeFiの基本から、取引に必須のガス代や注意点を丁寧に解説。
図解付きのステップ形式で、誰でも迷わず取引を完了できます。さらに、単なる操作方法に留まらず、「ETH/USDC」といった安定ペアから「ETH/LINK」のような将来性あるペアまで、戦略的なおすすめ通貨ペア4選を詳述。応用編として、手数料収入を得る「流動性提供」の仕組みとリスクにも触れ、DeFiの世界を多角的に学べる構成となっています。
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DeFi学習20ステップ目次
DeFi(分散型金融)の基本から応用までを20ステップで完全解説!ウォレット作成、DEXでの取引、レンディング、イールドファーミング、リスク管理まで、初心者でも着実に知識を習得し、未来の金融テクノロジーを実践的に学べるロードマップです。
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目次
はじめに
DeFi(分散型金融)の世界へようこそ!これまでのステップで、DeFiの基本的な概念やウォレットの準備などを学んできたあなたなら、もう次のステージへ進む準備は万端です。
このSTEP 6では、いよいよDeFiの中核とも言える**DEX(分散型取引所)**の代表格、**Uniswap(ユニスワップ)**を使って、初めての仮想通貨交換(スワップ)に挑戦します。
「DeFiの取引って難しそう…」 「大切な資産を失ってしまわないか不安…」
そんな風に感じている方もご安心ください。この記事では、Uniswapの仕組みから具体的な操作方法、そしてDeFiのプロも注目するおすすめの通貨ペアまで、一つひとつ丁寧に、そして何よりも**「楽しく」「安全に」**取引を終えられるよう、徹底的にサポートします。
この記事を読み終える頃には、あなたはUniswapを自在に使いこなし、DeFiが拓く新しい金融の可能性に胸を躍らせていることでしょう。さあ、一緒に未来の金融への扉を開けてみましょう!
STEP 0:DeFiとUniswapのおさらい - なぜ私たちはここにいるのか?
本格的な取引を始める前に、少しだけ現在地を確認しておきましょう。
**DeFi(分散型金融)**とは、銀行や証券会社のような中央集権的な管理者を介さず、ブロックチェーン上のプログラム(スマートコントラクト)によって自律的に運営される金融サービスのことです。
そして、**DEX(分散型取引所)**は、DeFiの中でも特に重要な「仮想通貨の交換」を担うサービスです。その中でも、Uniswapは最も有名で、最も多くの人に利用されているDEXの王様と言える存在です。
Uniswapがなぜ画期的なのか?それは**AMM(Automated Market Maker:自動マーケットメーカー)**という仕組みにあります。
従来の取引所(CEX:中央集権型取引所)では、「売りたい人」と「買いたい人」の注文をマッチングさせる「板取引」が主流でした。しかし、Uniswapでは「流動性プール」と呼ばれる仮想通貨の巨大なプールに、ユーザーが自分の資産を投げ入れることで、いつでも好きな通貨に交換できるのです。
この仕組みを図で見てみましょう。
graph TD subgraph "Uniswap (DEX)" A["流動性プール<br>(例: ETHとDAIのペア)"] end B(あなた) -- "1 . ETHを預ける" --> A A -- "2 . プールの比率に基づき<br>計算されたDAIを受け取る" --> B style A fill:#f9f,stroke:#333,stroke-width:2px
この流動性プールがあるおかげで、私たちは取引相手を探すことなく、24時間365日、いつでもシームレスに通貨を交換できます。これがUniswapの革命的な点であり、私たちが今から体験しようとしている未来の金融の形なのです。
STEP 1:準備編 - 初めてのDeFi取引を成功させるための羅針盤
冒険に出る前には、地図とコンパス、そして食料の準備が欠かせません。DeFiの取引も同じです。安全に取引を終えるために、以下の3つのポイントを必ず確認しておきましょう。
1. 冒険の三種の神器:ウォレット、ETH、そして好奇心
DeFi取引を始めるために、最低限必要なものが3つあります。
- 仮想通貨ウォレット: MetaMask(メタマスク)に代表される、DeFiサービスに接続するためのデジタルなお財布です。STEP 5までで作成済みかと思いますが、まだの方はこちらを参考に準備してください。
- イーサリアム(ETH): Uniswapはイーサリアムブロックチェーン上で動作しているため、取引手数料(ガス代)としてETHが必ず必要になります。まずは国内の取引所などで少額のETHを購入し、ご自身のMetaMaskウォレットに送金しておきましょう。**最低でも0.05 ETH(数千円〜1万円程度)**あると、数回の取引は安心して行えます。
- 尽きない好奇心: DeFiはまだ発展途上の世界です。新しい技術に触れるワクワク感と、未知の領域を探求する冒Cけん心を忘れずに楽しみましょう!
2. ガス代(Gas Fee)を制する者はDeFiを制す
ガス代とは、ブロックチェーン上に取引を記録してもらうために、ネットワークの検証者(マイナーやバリデーター)に支払う手数料のことです。これはUniswapに支払う手数料とは別にかかる、いわば「場所代」のようなものです。
ガス代の重要な特徴:
- 常に変動する: ネットワークの混雑状況によって、ガス代はリアルタイムで変動します。混雑している(取引したい人が多い)と高騰し、空いていると安くなります。
- ETHで支払う: ガス代は必ずETHで支払われます。そのため、ウォレットには交換したい通貨とは別に、ガス代用のETHが必須です。
- 取引失敗でも発生する: ここが重要なポイントです。トランザクション(取引の申し込み)が何らかの理由で失敗した場合でも、ガス代は返ってきません。
どうすればいいの?
- ガス代チェッカーサイトを利用する: 「Etherscan Gas Tracker」のようなサイトで、現在のガス代の相場を確認する習慣をつけましょう。一般的に、日本の深夜から早朝にかけては、欧米の利用者が減るためガス代が安くなる傾向があります。
- 焦らず、最適なタイミングを待つ: ガス代が高いと感じたら、無理に取引せず、安くなるまで待つのが賢明です。
3. 初心者が陥る2つの罠:「スリッページ」と「承認」
- スリッページ(Slippage): 注文した価格と、実際に約定した価格の差のことです。価格変動の激しい通貨を大量に取引しようとすると、自分の注文が原因で価格が変動し、不利なレートで交換されてしまうことがあります。 Uniswapでは、このスリッページが許容範囲を超えた場合に取引を自動でキャンセルしてくれる「スリッページ許容度」を設定できます。初心者のうちは、デフォルトの**0.5%〜1%**のままで問題ありません。
- 承認(Approve): 特定のトークンをUniswapで初めて交換する際、「スワップ(Swap)」の前に「承認(Approve)」という操作が必要になる場合があります。これは、「このトークンをUniswapのスマートコントラクトが扱えるように許可しますよ」という意思表示です。 この承認の操作にも、一度だけ少額のガス代がかかります。2回目以降、同じトークンをスワップする際は不要です。
これらの準備と知識があれば、もう何も怖くありません。いよいよ実践編に進みましょう!
STEP 2:実践編 - Uniswapで初めての仮想通貨スワップを体験しよう!
ここからは、実際の画面を見ながら、ETHを価格の安定した**ステーブルコイン「USDC」**に交換する手順を解説します。
1. Uniswapへアクセスし、ウォレットを接続する
- まずは、Uniswapの公式サイトにアクセスします。フィッシング詐欺サイトも存在するため、必ずブックマークや信頼できるリンク(https://app.uniswap.org/)からアクセスしてください。
- 画面右上の「ウォレットに接続」をクリックし、MetaMaskを選択します。
- MetaMaskがポップアップし、接続の許可を求めてくるので、接続したいアカウントを選択して「次へ」→「接続」をクリックします。
接続が完了すると、画面右上に自分のウォレットアドレスの一部が表示されます。
2. 交換(スワップ)する通貨ペアを選択する
Uniswapのメイン画面は非常にシンプルです。
- 上の段(支払う通貨): デフォルトで「ETH」が選択されています。今回はこのままでOKです。
- 下の段(受け取る通貨): 「トークンを選択」をクリックし、検索窓に「USDC」と入力して、USD Coinを選択します。
これで、「ETHを支払って、USDCを受け取る」という準備が整いました。
3. 交換数量の入力とレートの確認
- 上のETHの欄に、交換したい数量を入力します。例えば「0.01」と入力してみましょう。
- すると、下のUSDCの欄に、現在のレートで交換できるUSDCの数量が自動で表示されます。
画面下部では、以下の重要な情報を確認できます。
- レート: 1 ETHあたり何USDCと交換できるか。
- スリッページ許容度: 設定した許容度。
- ネットワーク手数料(ガス代)の予測: この取引にかかるおおよそのガス代。
4. スワップの実行とトランザクションの承認
すべての内容を確認し、問題がなければ「スワップ」ボタンをクリックします。
すると、最終確認画面が表示されます。レートや手数料を再度確認し、「スワップの確認」をクリックします。
ここで、MetaMaskのポップアップが再び登場します。これがブロックチェーンへの最終的な取引申し込み(トランザクション)の承認です。
- ガス代: 推定されるガス代が表示されます。ここで表示される金額が、実際にウォレットから引かれるETHです。
- 合計: 交換する通貨の価値とガス代を合計した金額。
内容に問題がなければ、「確認」ボタンをクリックします。
おめでとうございます!これであなたの取引はブロックチェーンの広大な海へと旅立ちました。
5. 取引の完了を確認する
「確認」ボタンを押した後、Uniswapの画面右上に「保留中」という表示が出ます。イーサリアムネットワークの混雑状況にもよりますが、通常は数秒から数分で取引は完了します。
取引が完了すると「成功」の通知が表示され、あなたのMetaMaskウォレットを確認すると、ETHが減り、その代わりにUSDCが増えているはずです。
もしUSDCが表示されない場合は、MetaMaskの「トークンをインポート」からUSDCのトークンコントラクトアドレスを追加してあげると表示されるようになります。
一連の流れをフローチャートで見てみましょう。
sequenceDiagram participant User as あなた participant Uniswap participant Wallet as MetaMask User->>Uniswap: ① Uniswapサイトにアクセス User->>Wallet: ② ウォレットを接続 Wallet-->>Uniswap: 接続完了 User->>Uniswap: ③ 交換ペア(ETH→USDC)と数量を入力 User->>Uniswap: ④ 「スワップ」ボタンをクリック Uniswap->>User: ⑤ 最終確認画面を表示 User->>Uniswap: ⑥ 「スワップの確認」をクリック Uniswap->>Wallet: ⑦ トランザクション署名を要求 Wallet->>User: MetaMaskポップアップで内容確認を促す User->>Wallet: ⑧ ガス代等を確認し「確認」ボタンで署名 Wallet->>Uniswap: ⑨ 署名済みトランザクションを送信 Uniswap-->>User: ⑩ 取引完了!ウォレット残高が更新される
これが、DeFi取引の基本となる「スワップ」の全手順です。思ったよりも簡単だったのではないでしょうか?一度経験してしまえば、あとはどんな通貨でも同じ手順で交換できます。
STEP 3:DeFiの航海図 - 初心者におすすめの厳選通貨ペア4選
さて、スワップの方法をマスターしたところで、次に気になるのは「どの通貨に交換すればいいのか?」ということでしょう。
無数に存在するトークンの中から、やみくもに選ぶのは危険です。ここでは、DeFiの世界で確かな実績と将来性を持ち、初心者が第一歩として踏み出すのに最適な「おすすめの通貨ペア(交換先)」を4つ、厳選してご紹介します。
ただ交換するだけでなく、**「なぜその通貨なのか?」「交換することでどんな未来が待っているのか?」**というストーリーと共に、あなたのDeFiポートフォリオ戦略を描いていきましょう。
💎 おすすめペア①:【安定の王道】ETH ⇔ USDC (or DAI)
- なぜこれなのか? これは、あなたが先ほど体験した、最も基本的かつ重要なペアです。DeFi経済圏の基軸通貨であるETHと、**米ドルと価格が連動するステーブルコイン(USDCやDAI)**の組み合わせは、ポートフォリオの「守り」の要となります。仮想通貨市場は価格変動(ボラティリティ)が大きいですが、利益の一部をステーブルコインに換えておくことで、市場が下落した際のリスクをヘッジし、資産価値を安定させることができます。
- どんな未来が待っている?
- 精神的な安定: 資産の一部が安定価値を持つことで、日々の価格変動に一喜一憂することなく、冷静な判断が下せるようになります。
- 絶好の買い場を逃さない: 市場が暴落した際、手持ちのステーブルコインを使って、安くなった優良な仮想通貨(ETHなど)を買い増すことができます。これは大きなチャンスを掴むための軍資金となります。
- 様々なDeFiサービスへの入り口: ステーブルコインは、後述するレンディング(貸付)やイールドファーミングなど、他のDeFiサービスを利用する際の基本通貨となります。
一言でいうなら、「DeFiの世界で生き残るための命綱」です。まずはポートフォリオの10%〜20%をステーブルコインにすることから始めてみましょう。
🚀 おすすめペア②:【DeFi上の金(ゴールド)】ETH ⇔ WBTC (Wrapped Bitcoin)
- なぜこれなのか? 「仮想通貨の王様、ビットコイン(BTC)にも投資したい。でも、DeFiもやりたい…」そんな願いを叶えるのが、このペアです。WBTCとは、**ビットコインをイーサリアムブロックチェーン上で使えるようにした「ラップドトークン」**です。本物のBTCと1:1の価値で裏付けられており、ビットコインの価値上昇の恩恵を受けながら、イーサリアムのDeFi生態系で活用することができます。
- どんな未来が待っている?
- ポートフォリオの多様化: ETHだけに依存するのではなく、デジタルゴールドとも呼ばれるBTCの価値をポートフォリオに加えることで、リスクを分散できます。
- シームレスな資産運用: 従来であれば、BTCを売ってETHを買い、それをDeFiで…という手間がかかりましたが、Uniswapならワンクリックです。BTCとETHという二大巨頭の資産を、自由に行き来できる体験は感動的ですらあります。
- BTCを担保にした運用: 手に入れたWBTCを、AaveやCompoundといったレンディングプロトコルに預け入れ、それを担保にさらに別の資産を借りる…といった高度な運用への道も開かれます。
一言でいうなら、「ビットコインの安定性と、DeFiの革新性の良いとこ取り」ができる魔法のチケットです。
🌐 おすすめペア③:【DeFiのインフラを支える】ETH ⇔ LINK (Chainlink)
- なぜこれなのか? DeFiのスマートコントラクトは、それ単体では外部(オフチェーン)の情報、例えば「現在のETHの価格はいくらか?」といった現実世界のデータを知ることができません。この「ブロックチェーン」と「現実世界」の橋渡しをするのがオラクルという仕組みであり、Chainlink(LINK)はそのオラクルプロジェクトのデファクトスタンダードです。ほとんどの主要なDeFiプロトコルがChainlinkの技術を利用しており、DeFiが成長すればするほど、LINKの重要性も増していきます。
- どんな未来が待っている?
- DeFiエコシステム全体への投資: 個別のDeFiプロジェクトに投資するのではなく、その土台となるインフラに投資することで、DeFi市場全体の成長の恩恵を受けることを目指せます。これは、ゴールドラッシュの時代に金を掘るのではなく、ツルハシやジーンズを売った商人が最も儲かった、という話に似ています。
- 将来の価値: Web3(次世代の分散型インターネット)が普及するにつれて、ブロックチェーンが現実世界の情報を必要とする場面は爆発的に増えると考えられます。その時、Chainlinkのネットワークは計り知れない価値を持つ可能性があります。
- 技術への理解が深まる: LINKを保有することは、DeFiがどのように成り立っているのか、その裏側の仕組みへの理解を深めるきっかけにもなります。
一言でいうなら、「DeFiという巨大な建物の『礎』に投資する、玄人好みの一手」です。
🦄 おすすめペア④:【この場所の主になる】ETH ⇔ UNI (Uniswap)
- なぜこれなのか? 私たちが今まさに使っているUniswap自身のガバナンストークン、それがUNIです。UNIトークンを保有することは、Uniswapというプロジェクトの方向性を決めるための投票権を持つことを意味します。つまり、単なる利用者から、プロジェクトの運営に関わる「株主」のような存在になれるのです。
- どんな未来が待っている?
- Uniswapの成長と価値を共有: Uniswapが今後もDEXの王様として君臨し続け、取引量が増えれば、そのプラットフォームの価値は向上し、UNIトークンの価値も上昇する可能性があります。
- プロトコル手数料の恩恵: 現在は実装されていませんが、将来的には「プロトコル手数料」として、Uniswapの取引手数料の一部がUNIトークン保有者に還元される仕組み(Fee Switch)が導入される可能性があります。これが実現すれば、UNIを保有しているだけで収益が生まれることになります。
- DeFiの最前線への参加: ガバナンスに参加することで、DeFiの最先端でどのような議論が行われているのかを肌で感じることができます。これは、他では得られない貴重な経験です。
一言でいうなら、「自分が信じるプラットフォームの未来にベットし、共に成長していく」という、DeFiの醍醐味を最も体感できる投資です。
STEP 4:応用編 - スワップの先に見える世界「流動性提供」
Uniswapでのスワップに慣れたら、ぜひもう一歩踏み込んでみましょう。Uniswapの真の魅力は、単なる交換機能だけではありません。あなたが「流動性提供者(Liquidity Provider, LP)」になることで、新たな収益の機会が生まれるのです。
流動性提供とは?
覚えていますか?Uniswapの心臓部は「流動性プール」でした。このプールに、あなたも自分の資産を預け入れることができるのです。
例えば、「ETH/DAI」のプールに流動性を提供する場合は、ETHとDAIを50:50の価値比率でペアにして預け入れます。
graph TD subgraph "あなたのウォレット" W1[ETH] W2[DAI] end subgraph "Uniswap" subgraph "流動性プール (ETH/DAI)" P1[ETHの備蓄] P2[DAIの備蓄] end end W1 -- "1 . 預け入れ" --> P1 W2 -- "1 . 預け入れ" --> P2 P1 & P2 -- "2 . LPトークンを受け取る" --> あなた C(他のトレーダー) -- "スワップ手数料を支払う" --> P1 & P2 P1 & P2 -- "3 . 手数料の一部があなたに分配される" --> あなた
流動性提供のメリット:取引手数料がもらえる!
なぜ資産を預けるのか?それは、そのプールで行われる全ての取引手数料(通常0.3%)の一部を、プールへの貢献度(シェア)に応じて受け取ることができるからです。
つまり、あなたの資産が、他の誰かの取引を助け、その対価としてチャリンチャリンと手数料収入を生み出してくれるのです。これはまさに、あなたが「小さな銀行」のオーナーになるような体験です。
流動性提供のリスク:「インパーマネントロス(変動損失)」
もちろん、リスクもあります。最も注意すべきなのが「インパーマネントロス(Impermanent Loss)」です。
これは非常に複雑な概念ですが、簡単に言うと、「預け入れた2つのトークンの価格比率が、預けた時から大きく変動した場合に発生する、機会損失」のことです。
例えば、ETHの価格がDAIに対して大幅に上昇した場合、単純にETHとDAIをウォレットで持ち続けていた場合と比較して、流動性提供から引き出した際の資産価値が少なくなってしまう現象です。
重要なのは、これは手数料収入を考慮に入れていない損失だということです。多くの場合、得られる手数料収入がインパーマネントロスを上回りますが、価格が急激に変動する相場では損失が大きくなる可能性があることを覚えておきましょう。
流動性提供は、スワップよりも一歩進んだ中級者向けの運用ですが、DeFiの核心的な仕組みを理解する上で非常に重要です。まずは少額から、ETH/USDCのような価格が比較的安定したペアで試してみるのが良いでしょう。
まとめ:あなたはもう、DeFiの冒険者だ
ここまで本当にお疲れ様でした!
この記事を通して、あなたはUniswapの仕組みを学び、実際に自分の手で仮想通貨をスワップし、そして未来のポートフォリオを描くための知識まで手に入れました。もう、あなたはDeFiの単なる傍観者ではありません。自らの意思で資産を動かし、未来の金融を形作る、正真正銘の「冒険者」です。
最後に、これからの冒険を続けるあなたへ、3つの心構えを送ります。
- DYOR (Do Your Own Research) - 常に自分で調べる: DeFiの世界は日進月歩です。この記事の情報もいつかは古くなるかもしれません。常に公式情報や信頼できるコミュニティから最新の情報を得て、自分で判断する癖をつけましょう。
- 失ってもいい金額で始める: DeFiは大きな可能性を秘めていますが、同時に未知のリスクも存在します。必ず、生活に影響の出ない余剰資金で始めてください。
- 楽しむことを忘れない: 新しい技術に触れ、世界中の人々と繋がって新しい金融システムを築いていく。このワクワク感こそが、DeFiの最大の魅力です。困難に直面することもあるかもしれませんが、学び、挑戦し、そして何よりも楽しむ心を忘れないでください。
あなたのDeFiの旅は、まだ始まったばかりです。次は流動性提供への挑戦か、レンディングへの探求か、あるいは新しい有望なプロジェクトを探す冒険か。
目の前には、無限の可能性が広がっています。さあ、羅針盤を手に、次の目的地へ向かって出航しましょう! Bon Voyage!
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DeFi学習20ステップ目次
DeFi(分散型金融)の基本から応用までを20ステップで完全解説!ウォレット作成、DEXでの取引、レンディング、イールドファーミング、リスク管理まで、初心者でも着実に知識を習得し、未来の金融テクノロジーを実践的に学べるロードマップです。
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